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2005/04/01撮影 |
JR東海、長野県内の中央本線は国鉄時は全ての駅に駅員が配置されていましたが、現在は無人駅の方が多くなっています。その数少ない有人駅の一つがここ、南木曽駅です。南木曽町の中心部に位置し、大きな駅舎を備える観光の拠点にもなっています。旧中山道の宿場、妻籠(つまご)宿が南へ3Kmほどの所にあります。古い町並みを当時のまま復元保存しており、中山道の宿場町の中で最も宿場の名残を留めるところとして観光スポットのひとつに数えられています。
駅のホームは2面3線を備えており、一部の特急電車の停車駅になっています。駅舎は宿場を意識してか切妻の大きなものが建っています。昭和55(1980)年の建築で、当時としては大変立派な駅舎だと思いますが、現在でも中央西線、長野県内を代表する駅に相応しい名駅舎のひとつです。
住所は南木曽町読書(よみかき)。駅開業時は西筑摩郡読書村の駅でした。読書村は昭和36(1961)年1月1日に隣接する田立村、吾妻村との合併により南木曽町となりました。昭和43年には郡名を木曽郡に変えて現在に至ります。開業時は読書村の地区名であった三留野という駅名でしたが、町制施行後に町名と同じく南木曽に改称しています。読書とはなんとも洒落た地名ですが、読書村は明治7(1874)年に与川(よがわ)、三留野(みどの)、柿其(かきぞれ)の3村が合併して出来た村で、それぞれの頭文字をとって『よみかき』村とし、読書の文字を当てたものです。タネを明かせば風情がないですが、いろいろなことを想像させる面白い地名ではありませんか。
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