こうして見ると国鉄が晩年、毎年のように値上げを繰り返していた事がわかりますね。これ以外にも入場券(初乗り運賃)は値上げされないものの、運賃の値上げが実施された時期があります。
入場料金は表のとおり、昭和59(1984)年4月20日の料金改正までは日本全国どの駅においても同じ料金で入場券が買えました。但し例外が存在し私鉄との共同使用駅においては、その駅の業務が私鉄に全面委託されている場合は私鉄の料金が適用されました。また、国鉄・私鉄の共同管理駅では私鉄に合わせるかたちで料金が下げられていました。その駅は以下の通りで
蒲郡・尾張一宮・鵜沼(名鉄と共同)、桜井・松阪・津・伊勢市・鳥羽・大垣・桑名(近鉄と共用)、冨田(三岐と共用)。これらの駅では100円の時代が70円、110円が80円又は90円、120円・130円・140円が90円又は100円となっていました。
右の画像は大垣駅の入場券。上表によれば本来130円なのですが、この措置により90円となっています。
そしてS59.4.20の改正では、ローカル線の赤字問題が深刻化し、幹線と地方交通線の二つの料金体系が新設されました。それと同時に入場券は国電区間の特別料金措置が取られ、初めて2種類の料金が設定されました。
更に1回値上げをし、国鉄は分割民営化される事になり、JRグループが発足されることになります。
JR発足後も国鉄時代の料金体系が継承されました。国電という言葉が使えなくなりましたが、名称が電車特定区間となり料金も同じに設定されています。平成元(1989)年に消費税が導入され、JRもそれに伴い運賃の値上げを実施しましたが、入場券(初乗り運賃)は据え置かれました。
JRになってから、入場券の値上げは行われていませんでしたが、比較的ローカル色の強いJR北海道・四国・九州の3社は別料金体系を敷く事を決定。平成8(1996)年1月10日の運賃改正により、入場券も20円のupとなりました。(但し、小倉・博多は新幹線がJR西日本の管轄になっているので、それにあわせて140円となっています。)
さらに平成9(1997)年に消費税率が5%にup。それに伴い、JR東日本の電車特定区間の入場券が130円となりました。
特筆すべきはJR西日本の電車特定区間。昭和57年より現在まで120円のまま料金が据え置かれています。私鉄との競合もあるのが理由でしょうが、これを維持して行くのは大変だった事でしょう。(但し少し距離を乗ると、東京の電車特定区間の方が運賃が安くなります。)