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2005/03/06撮影 |
静岡県の最北端に位置し愛知県、長野県の境界が迫ってきているところに小和田駅があります。駅のホーム上にその3県の境界を表す標識が立っていますが、実際の境界点は北におよそ500m離れた天竜川上にあります。周囲を山々に囲まれ民家などが存在しない、また道路も通じていない辺境の地にあり、国内でも有数な鉄道以外での訪駅が困難な駅として知られています。駅周辺は山峡の地形な為に10月下旬より2月末までの間駅舎やホームに日が当たりません。写真撮影の露出調整には充分な配慮が必要なところです。
駅のホームは相対式の2面2線で、現在は無人駅と化しましたが木造の駅舎があります。こんな山奥に電化された行違い可能なホームと古いながらも立派な木造駅舎を見ていると、人間というものはつくづく偉大な生き物だと尊敬の念さえ湧いてきます。
皇太子妃の雅子様は旧姓を小和田(おわだ)といいました。皇太子殿下との結婚が決まった平成5(1993)年に、同じ漢字を使用したこの駅ににわかに注目が集まり、人気にあやかろうとこの駅を訪駅する人が数多く現れました。小和田駅停車の臨時列車などが運転され、入場券なども売られました。極めつけは、水窪町主催のイベントとしてこの駅で結婚式が行われ、それがニュースとし取り上げられたほどですから、その人気の高さは計り知れないものがあったことと思われます。現在ではそんなブームも去り、駅は静寂に包まれており、駅舎に飾られた臨時列車のヘッドマークや、挙式が行われたときの当事者の写真などで、往時を偲ぶことが出来ます。
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