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2004/09/15撮影 |
平成5(1993)年、日本初のプロサッカーリーグ『Jリーグ』が誕生しました。開幕当時からリーグに加盟している鹿島アントラーズの本拠地が鹿島サッカースタジアムです。リーグ開幕の同年にこの競技場もオープンしています。駅の目の前に、巨大なスタジアムの敷地が広がっています。
もともとこの駅は、昭和45(1970)年11月12日に北鹿島貨物駅として開業しました。その後の歴史は複雑で、乗り入れている鹿島臨海鉄道に大きく関係してきます。鹿島臨海鉄道の開業日は駅開業日と同じ昭和45年11月12日。この鉄道は、海沿いに広がる鹿島臨海工業地域の貨物輸送を主体として開業した鉄道で、この北鹿島と工業地域内の奥野谷浜(おくのやはま)間の19.2Kmが開業。開業当初の北鹿島駅はその連絡駅的な役割が強い駅でした。更に、昭和53(1978)年7月25日、鹿島臨海鉄道は国鉄鹿島神宮駅から北鹿島を経由し、鹿島港南へ至る路線で旅客営業を開始。同時に北鹿島駅は旅客駅になりました。ただし、この北鹿島駅にはホームなど無く、当然乗降なども一切行われない、運転停車のためにある駅でした。この路線の旅客営業は昭和59(1984)年11月30日をもって終了し、翌12月1日付けで北鹿島駅は再び貨物駅に戻っています。
その後、昭和60(1985)年3月14日には鹿島臨海鉄道大洗鹿島線が開通。鹿島神宮駅から水戸駅を結ぶ56.2Kmの路線で、再び北鹿島駅を経由するようになり、同時に運転停車専門の、ホームの無い旅客駅に扱いが変更されています。この駅に劇的な変化が訪れたのは、まさにJリーグの開幕の影響が大きく、開幕の翌年の平成6(1994)年3月12日に、ホームがあり、客の乗降の設備を持った本来の旅客駅として生まれ変わり、同時に駅名を鹿島サッカースタジアムと改称しています。JRの列車は来ず、鹿島臨海鉄道の列車のみがこの駅に来ます。ただし、この駅に列車が停車するのはサッカーの試合がある日のみで、試合の無い日は全ての列車がこの駅を通過。駅の入り口の門は閉ざされ、ホームには人が降りられないようになっています。
そんなわけでこの駅は臨時駅なのですが、JRの列車が停車しないからか、時刻表などには(臨)の文字が記載されていません。
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