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2006/05/27撮影 |
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号場に汽車が止まった。』
上越線、新潟県最初の駅である土樽駅は昭和6(1931)年9月1日に水上~越後湯沢間開通により上越線が全通したと時を同じく、土合信号場(現土合駅)と共に土樽信号場として開設されました。当事上越線は単線で現在の上り線がその路線で、当時最長だった9,702mの清水トンネルを通り県境を越えていきました。冒頭はおなじみの川端康成の小説『雪国』の書き出しですが舞台は上越線であるといわれており、『国境の長いトンネル』は清水トンネルが、『信号場』は土樽信号場がそのモデルになっています。
土樽が正駅に昇格したのは昭和16(1941)年になります。土合(昭和11年)、土樽が正駅に昇格した後に清水トンネル内に茂倉信号場が設置(昭和18年5月15日)されましたが、上越線複線(新清水トンネル共)完成(昭和42年9月28日)後しばらく経った昭和59(1984)年11月1日に廃止されています。駅ホームは相対式の2面2線でその間に通過用の線路が2本敷かれており、比較的大きな構内をしています。駅は昭和60(1985)年に無人化されていますが立派な木造駅舎が残されています。周囲に民家等はありませんが北側に土樽スキー場、更に登山などの拠点にもなっており駅舎内にジュースの自動販売機も設置されています。
駅名の土樽は開業時の村名です。南魚沼郡土樽村は昭和30(1955)年合併により湯沢町となり現在に至ります。
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