|
2005/10/18撮影 |
庭坂駅を出た電車は県境を越えるため急激な上り勾配の区間に入ります。この板谷峠を越える区間は33.3‰という勾配で、国鉄時には信越本線の碓氷峠越えに次ぐ難所として知られており、赤岩駅から板谷駅、峠駅、大沢駅とスイッチバック駅が4駅続く区間は奥羽本線の名物ともいえるものでした。しかし、山形新幹線を通すための路線改軌(レール幅の拡幅)や駅の改良工事が実施され、スイッチバック駅は全て姿を消し駅ホームは本線上に移設されています。
赤岩駅のスイッチバック式は平成2(1990)年3月10日に廃止され、現在、本線上の島式ホーム1面2線の設備に生まれ変わっています。行政区は福島市になりますが、周囲には民家など無く、山々に囲まれた静寂に包まれた駅、というのがぴったりの表現です。冬は庭坂を出て山に差し掛かった辺りから天候が急変し一面が銀世界となります。新幹線に乗って山形方面へ行くと郡山や福島の天候とあまりの違いに本当に福島市の駅なのかと錯覚を覚えます。
明治43年開業時は信夫郡大笹生村(おおざそうむら)という住所で、駅名はこの村の地籍より名付けられました。大笹生村は昭和30(1955)年3月31日に福島市に編入され消滅しています。
|