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2005/07/30撮影 |
大糸線の糸は糸魚川のことで、大はこの信濃大町のことを指しています。路線名に2駅の漢字の一字ずつを採るのは珍しいことではありませんが、中間駅と終点駅の2駅が採用されるのは珍しいです。そもそも松本~信濃大町間は信濃鉄道という私鉄で開業し、国鉄線として計画されたのは信濃大町~糸魚川の間でした。この国鉄の路線が大糸線で、その名称が信濃鉄道が国有化(昭和12{1937}年6月1日)された際にも残されました。この当時は大糸線という1本の路線ではなく、松本~中土の大糸南線と糸魚川~根知の大糸北線に分かれていました。国鉄大糸線として全線開通したのは昭和32(1957)年8月15日の事になります。
そんな大糸線内では要所駅のひとつである信濃大町駅は大町市の所属。大町は古くから北安曇郡地域の中心地として栄えた町で、現在では北アルプスの観光の拠点としても機能している町です。駅のホームは2面3線を備え、数多くの信濃大町止まりの列車が設定されています。また、特急列車の停車駅にもなっており、乗降客数は起点の松本を除くと一番多い駅になっています。昭和25(1950)年の建築の大きな木造駅舎は、線内要所駅のとしての風格があります。
駅開業時の住所は北安曇郡大町。昭和29(1954)年7月1日に社村(やしろむら)、常盤村、平村との合併により大町市として市制を施行しています。本来、自治体名は『大』なので、市制施行すると大市となるはずですが、語呂が悪いのか町の接尾辞を残し大町市としています。大という自治体はかつて全国的にいくつか見られ、現在でも残り市となったところに長崎県の大村市があります。こちらは大村→大村町→大村市と変化しており村の字が残っているものです。
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