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2006/08/23撮影 |
岩切駅を出るとすぐに市境を越え、仙台市から多賀城市へと移ります。ほどなくして最初の駅、陸前山王駅に到着します。2面3線の旅客の設備のほかに数本の側線があり貨物列車などが留置されていますが、この陸前山王から貨物の仙台臨海鉄道が分岐、仙台北港までを結んでいます。
かつてこの駅は塩竃線(*)の駅として昭和8(1933)年に開業しました。東北本線は現在の支線である利府駅を経由、急な勾配の山沿いを走り品井沼駅を結んでいました。その後列車の輸送力強化のため山沿いのルートのほかに勾配の緩やかな路線を敷く工事が開始、昭和19(1944)年11月15日に陸前山王~品井沼の線路が開通、陸前山王駅は東北本線の所属となり、それまでの本線は山線、こちらの線路は海線と呼ばれ主に貨物列車などが海線を利用していました。
昭和31(1956)年には塩釜駅の開業、新松島信号場の駅への昇格(当時新松島駅、現松島駅)と旅客列車も海線利用が主となり、昭和37(1962)年には海線が複線化、山線は部分廃止に追い込まれ、現在の利府までの支線のみが残る形になっています。
駅開業時は宮城郡多賀城村。昭和26(1951)年単独で町制施行、昭和46(1971)年11月1日に単独で市制を施行し現在に至ります。
(*)塩竃線 開業当初、岩切駅を起点に陸前山王駅(塩竃線当時は多賀城前駅)を経由、塩竃駅(現在の塩釜駅とは違います)までを結んでいた路線(貨物は更に線路が延びていました)。東北本線海線(現行ルートの陸前山王~品井沼)が開通すると岩切~陸前山王は東北本線の所属に変わり、塩竃線の起点は陸前山王駅に変更になっています(陸前山王~塩竃の営業キロは4.9Km)。昭和31(1956)年7月9日に陸前山王~塩竃の旅客営業は廃止され、貨物専用路線となりました。この時路線名称を塩釜線と表記を変更、塩竃駅は塩釜港駅(貨物)に変わり、東北本線に新たに塩釜駅が開業しています。
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