|
2003/12/18撮影 |
『野に新しき停車場は建てられたり 便所の扉風に吹かれ ペンキの匂い草いきれの中に強しや。』
群馬県の県庁所在地、前橋市の玄関口である新前橋駅は、上越線の他、両毛線が分岐しています。両毛線の電車は高崎駅を発着しますが、戸籍上はこの駅が分岐駅。両毛線の終点の扱いになっています。
駅構内に電車区を併設しており(新前橋電車区)、色々な車両が留置されているの見ることが出来ます。電車区がある関係で、駅の構内は広く、駅の周辺にいくつかの工場があるために、貨物駅のような錯覚さえ起こしてしまいそうな感があります。電車区の脇には運転免許試験場やパスポートの発給所など、県の公的な施設が建ち並んでおり、県内の要所駅のひとつにもなっています。
前橋市は詩人萩原朔太郎の出身地。朔太郎が、新前橋駅が出来てほどなくしてから、『新前橋駅』という詩を書きました(冒頭の野に新しき~はその詩の書き出しです)。駅前ロータリーの植え込み部分には、その詩の歌碑が旧駅舎の絵と一緒に飾られています。尚、現在の駅舎は昭和58(1983)年、群馬国体開催に合わせて橋上化しています。
著名な地名に新を被せた駅名は多数ありますが、大抵開業の新しい駅か、古い地名を捨てて改称した駅がほとんどです。この新前橋駅は大正10年の開業。新○○で、これだけ歴史のある駅は珍しいんではないでしょうか。
|